ツーリングレポート 2009


03 開田高原・国道152縦断 目まぐるしい天候の中、最後は土砂降りプラス通行止めのダブルパンチ、ソロツーリング
2009/07/19(日) 日帰り CB1300SB − 2009/07/28記


松本ICにて虹のアップの、ツーレポタイトル用写真

この3連休は、初日、最終日と用事があり、ツーリングに行けるのは今日の日帰りのみだった。昨日から何度となく天気予報をチェックしていたが、日帰りで行けそうな関東、福島、そして中部の東よりでは、全域であいにくの空模様で、なんとか山梨・長野が午前中だけ、静岡が午後早い時間まで天気が持ちそうだった。

最近の日帰りロングツーリングは、600〜700kmと長距離ばかりで、距離感覚が麻痺してきている。例えばビーナスラインだと、「近すぎるなー」という感じである。さて行き先だが、以前より行ってみたかった開田高原と、先日行って「また来たい」と思った国道152縦断を組み合わせることにした。距離的にもちょうど良さそう!?だ。

前日寝たのは早くはなかったのだが、なぜか02:00過ぎに目が覚めてしまい、眠れない。しばらくベッドの中で眠ろうと頑張っていたが、早い時間帯ほど雨の降る確立が低いことを思い出し、飛び起きた。用意をして、03:00ごろ出発した。

真夜中の出発の写真

いつもの様に、多摩川沿いの道、川崎街道、日野バイパス、八王子バイパス、で八王子ICに向かう。さすがに真っ暗である。通行量も極端に少ない。乗用車だけでなく、日曜日の未明ということもあり大型車も少ない。写真のタンク車は、この日時にも関わらずどこか工場か現場に行くのだろうか。大変お疲れ様です。私はこれからツーリングに行きます。頭が下がる思いです。

夜明け前の談合坂にてCBの写真

あっという間に八王子ICに着き、中央道に乗り、談合坂SAに休憩に立ち寄る。自然に目が覚めたが、睡眠時間が短かったので、一応コーヒーを飲んでおく。この時は今後の天候の行く末を知る由もなく、早く出かけられて良かった、おそらく雨に降られないで帰ってこれるだろう、と楽観的に考えていた。

雲に覆われる八ヶ岳の写真

甲府盆地に下りて来る頃には、すっかり明るくなっていた。明るくなるにつれ、空が一面低い雲に覆われていることが明らかになってきた。八ヶ岳はすっかり雲に包まれている。

八ヶ岳付近は前方にも厚い雲の写真

前方に目を移すと、低くてモコモコとした、いかにも水分をたっぷり含んだ様な雲。雨の先回りをしたい、先を急ぎたい、という気持ちが強くなる。

諏訪湖SAに入った途端に大雨の写真

松本ICで下り、野麦峠から回りこんで開田高原に向かおうと思っていたので、最後のSAである諏訪湖SAに入った。バイクをがらがらの駐輪所に停めて、トップケースにヘルメットなどをしまっていると、バラバラバラッと、突然雨が降り出した。滑り込みセーフだった。とりあえず建物入り口まで走り、振り返ってシャッターを切る。少し後から来たバイクの方は、お気の毒に全身ズブ濡れだった。

空はそんなに暗くはないので、このままずっと雨という感じではない。が、雨はまだ降り続いているので、ここでゆっくり朝食をとることにした。朝早いので軽食コーナーですら欠品が多く、モツ煮とご飯という珍しい単品注文となった。SAでの朝食を、いつもの麺類ではなくご飯物にしたのは、迫り来る困難を体が察知していたのであろうか。

食事を終えて窓越しにぼんやり諏訪湖を眺めていると、地面から雨粒の跳ねしぶきが散っていないことに気がついた。外に出てみると雨は止んでいた。SAに休憩に入ってすぐに雨が降り出し、ゆっくり食事を終えると雨が止んでいたなんて、なんてラッキーなんでしょうと、まだ楽観的。空を見ると天気は急速に回復している感じだったので、レインウェアは着ずに松本ICへと向かった。

松本IC手前で虹の写真

上信越道に入って間もなくすると、青空も見え出した。左前方にはきれいな虹がくっきりと姿を現した。

松本ICにて虹のアップの写真

虹があまりにもきれいだったので、松本ICにてアップで写真におさめてみた。

松本IC前GSにて天気良くなりそうの写真

松本ICを出てすぐのENEOSで給油する。青空が山肌を照らし、きれいな緑が輝き、気持ちがウキウキしてくる。

松本ICから国道158を上高地方面に向かう。野麦峠には、奈川渡ダム手前のトンネル内分岐を、上高地方面に右に曲がらずに直進し、県道26を梓湖を右手に南へ下る。このあたりから小雨が降ってくるが、まだ大丈夫。

野麦街道にて大雨の写真

しかしだ。県道26から県道39へと右へ曲がり、少し行った所で急に土砂降りの雨が降ってきた。ちょうど運良くバスの停留所小屋があったので、トップケースからレインウェアを取り出し、非難する。時間にしてたった1分程だったと思うが、かなり濡れてしまった。レインウェアを着込み、完全防備となったところで、まだ本降りではあるが幾分雨が弱まってきた。予定通り野麦峠を目指す。


野麦峠と言えば、小さい頃にテレビで見たドラマ、「あゝ野麦峠」を思い出す。明治後期から昭和初期にかけてだろうか、飛騨の貧しい農村から、まだ幼い少女が、諏訪の紡績工場に女工として出稼ぎに出る物語だ。途中、体を壊す少女も出てきて、幼心にもとても心が痛み、半ば泣きそうになりながら見た記憶がある。

とても印象に残っているシーンがある。少女達が集団で野麦峠を越え、初めて大きな諏訪湖を目の当たりにした時、少女の一人が、「あれが海か!でっけーなあ!」と言うシーンである。日本列島における自分の村の位置、諏訪湖の位置も知らず、言わば満足な初等教育も受けないまま、紡績工場で過酷な女工勤務についたのか、と強い衝撃を受けたからである。彼女たちが、日本近代化、工業化の礎を築いたのだ。

だから、今回初めて訪れる野麦峠だが、並々ならぬ思い入れがあった。


あゝ雨の中の野麦峠の写真

しかしだ。まことに残念ながら、「あゝ『雨の中の』野麦峠」だった。ぜひ快晴時にリベンジしたい。

高根乗鞍湖の写真

そのまま県道39を飛騨方面に下り、高根乗鞍湖に突き当たる頃には、雨は止んでいた。天気は回復傾向か?国道361を左に曲がり、開田高原を目指す。

木曽街道を開田高原への写真

降ったり止んだりの微妙な天気だが、何とか開田高原から御嶽山が望めやしないか?と期待しながら、開田高原へと向かう。御嶽山は、北アルプスやビーナスラインなどから、遠景としてしか見たことがなく、今日のツーリングの一番のハイライトなのだ。

雲の中の御嶽山の写真

しかしだ。またもや残念ながら、御嶽山は雲の中。晴れていれば、写真中央に御嶽山の雄姿が見られるはずである。仕方ないので開田高原を後にし、木曽福島、伊那、高遠と、国道152へと向かう。

伊那市街にて雨上がり天気良くなりそうの写真

伊那市街に入ると雨は上がり、空も明るくなってきた。こうじゃなくっちゃ。この先の国道152縦断が楽しみだ。

高遠を過ぎ、国道152を右に折れる。すぐ先の美和湖のそばに、道の駅「南アルプスむら長谷」があり、ここに立ち寄る。雨も上がり蒸してきたので、レインウェアを脱ぐ。ここはTMにも書いてあるが、焼き立てパンがおいしい。以前立ち寄った時には、朝早くてまだパンの品数が少なかったが、今日は時間的にちょうど良く、期待出来そうだ。

道の駅「南アルプスむら長谷」のパンの写真

建物内のパンのコーナーに行くと、かなりの人だかりだ。肝心のパンは品数豊富で良かった。雨天走行で気疲れのせいか、かなりお腹が空いていたので、厳選に厳選を重ねた結果、写真の3品になった。カレーパンは珍しく揚げておらず、焼きカレーパンだった。しかし驚くのが、クロワッサンが焼けると、まるでスーパーのタイムセールの様に、うわーっと人が集まる。どうも近隣やドライブ中の人だけでなく、大量のバスツアーの人たちがメインで群がっているようである。そそくさと退散し、ベンチでパンをおいしく頂く。

腹ごしらえも終え、さあ国道152縦断へと思っていた矢先、またもや本降りの雨が降り出す。仕方なく再度レインウェアを着込んで走り出す。思い返すと、このあたりから疲れと雨とで気持ちが折れつつあった様な気がする。南下するにつれ、雨脚は強まり、程なくして土砂降りとなった。

土砂降りの中沢峠にてこの先通行止めの写真

そしてだ。中沢峠にて、この先通行止めとの看板。看板の表示とTMをじっくり見比べたところ、通行止めはかなり下ったところの様だが、この先国道152は迂回ルートがなく、また土砂降りに心をくじかれ、残念ながら南下を断念。ここから新たな目的地を設定する気力も無く、帰路につくべく駒ヶ根ICへと向かう。


私はCB1300SBとLEADでのツーリングでは、ツーリングマップルR(TMR)を愛用している。TMRは「リング製本」を採用しており、タンクバッグで使用する際も折り返しが容易で、本が悪くなりにくい。またTMRは、通常の紙に比べて格段に防水性が高い「オーパー紙」を使用している。今回土砂降りの中TMRを見たので、TMRの紙面は雨でびしょびしょになってしまったが、帰宅してから紙面を見ても、全くふやけたり色落ちしたりしておらず、とても心強い思いだった。しかし紙面は濡れてはいるので、帰宅したら濡れたページを軽く拭いておくことをお勧めしたい。

一方XRでのツーリングでは、オフ車用でかつ、TMRとハンディー無線機一式が入る大きさのタンクバッグが見つからなかったこともあり、仕方なくTMをつかっている。TMだと、折り返しを繰り返していると、綴じ部がほつれてしまわないかと心配になるが、こちらはこちらで「PUR製本」を採用しており、通常の製本と違って360°折り返してもページが取れてしまうことはないそうだ。


駒ヶ根IC手前のENEOSで給油し、疲れ果てたので店内で一休みさせて頂く。かなり疲れた様で、店内で腰掛けて飲み物を飲みながら、ふと気付くと頭を垂れてうなだれていた。店員さんは心配してくれてたかも知れない。すみませんでした。しばらく休んで元気回復した頃には青空が広がり、強い日差しが届くまでになっていた。しかしやはりこれからどこかに足を伸ばす気力はなく、素直に中央道で帰路についた。

岡谷JCTで上信越道と合流すると車は少し多くなり、双葉SA手前あたりからは車が詰まってきて、自分の速度で走れなくなってきた。やはり夏休み中の3連休中日だけのことはある。

混雑する双葉SAの写真

勝沼IC手前から断続的な渋滞があるとの表示だったので、渋滞に入る前の双葉SAで休憩。乗用車エリアもバイクエリアも一杯だった。

この断続的な渋滞は、おとなしく慎重にすり抜けさせて頂く。しかしそれを過ぎると、笹子トンネル、大月JCT付近を頭に、またもや断続的な渋滞。同様におとなしく慎重にすり抜けさせて頂く。そしてまたもやそれを過ぎると、今度は小仏トンネルを頭に「20km100分」という超ノロノロ渋滞。時速に換算すると12km/hである。再びおとなしく慎重にすり抜けさせて頂く。

混雑する藤野PAと上り本線の写真

しかしだ。さすがにすり抜けも疲れた。路面と車の熱で暑くて暑くて、熱中症にもなりそうだ。八王子ICで中央道を降りようと思っていたので、その手前最後のSA/PAである藤野PAに立ち寄った。暑い、へろへろだ。こういう時のリフレッシュには、私の場合コーラに限る。いつもはカロリーを気にしてコカコーラゼロだが、今の様に疲れている時には、糖分をたくさん含んだ普通のコーラだ。シュワッとおいしい。飲みながら、半ば放心状態でしばし休憩する。

やっと復活してきたので、また先へと進む。ここでODOメーターを見ると、あと少しで10000km。そろそろエンジンオイル交換のタイミングだ。貴重な休日はなるべくツーリングに使えるよう、このまま帰りにホンダドリーム店に寄って、オイル交換を済ませてしまおうと思う。少し先の高井戸ICで降り、環八の渋滞を避けるべく、甲州街道、環七、目黒通り、でドリーム店に伺った。お店で冷たい飲み物を頂き、オイル交換完了の後、環八で帰宅した。


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